その間、タルラは自身初の長編映画「スコティッシュ・マッセル(Scottish Mussel)」(日本未公開)を共同執筆し、監督した。なお、タルラとの間に子供はなく、1600万ドル(約19億円)が金銭的和解として合意されたらしい。
■女優の次は、ミュージシャン
イーロンの3番目の女性は、カナダ出身でミュージシャンのグライムスだ。17歳ほどもの年の差があり、本名はクレア・ブーシェイ。父は銀行員で、母は検察官をしていた。グライムスは2010年にアルバムデビューし、ミュージシャンとしてだけでなく、シンガーソングライターでありプロデューサーとしても活躍している。
イーロンの最初の妻は同じクイーンズ大学の学生だったし、2番目は知人の紹介で恋が発展し、3番目は「人工知能(AI)」が取りもった。イーロンがAIに関するジョークをツイートしたことで、2人は意気投合し親密になっていったのだ。
イーロンとグライムスの恋愛が表沙汰になったのは2018年。
その頃のイーロンは地獄の苦しみにあえいでいた。自信満々で世に出し、約45万台もの予約注文が入っていた3万5000ドルのEV「モデル3」が量産でトラブり、出荷が遅れ、テスラは危機に陥っていたからだ。
イーロンは工場に泊まりこんでエンジニアたちを怒鳴り上げ、問題解決に奔走していた。それでも生産数は上がらず、テスラの株主総会で、「(自動車業界を)生き延びるのは、気が狂うほど厳しい」と彼にしては珍しく弱気な本音を吐露するほど追い詰められていた。
ところが、そんな悲惨で超多忙な日々を送りながらも、イーロンはグライムスとの恋をはぐくんでいたのだから、天才のやることは凡人の理解を越えていた。
■オンナに現(うつつ)を抜かしても、事業は絶好調
2020年5月、スペースXの有人宇宙船「クルードラゴン」は国際宇宙ステーションへ米国人宇宙飛行士を送り届けた。これは民間初の偉業であり、イーロンはスペースXのメンバーと歓喜の雄叫びを上げた。
そして、この5月は別の喜びもイーロンを包んでいた。