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菅義偉首相は9月2日、自民党の二階俊博幹事長と会談し、今月17日に告示される総裁選挙(投開票は29日)に再選を目指して立候補することを伝えた。
「一部には出馬辞退かという憶測が流れましたが、本人はそんな気は全くありません。勝つ気、満々ですよ。『岸田ノートなんてさ…」と小バカにしたように周囲に言ってました」(官邸関係者)
一時は総裁選を延期し、9月中旬に解散総選挙を打って出て、総裁選を無投票で再選というシナリオが有力視された。
しかし、「総裁選を先延ばしするのは、菅政権の延命策としか見えない」(自民党の閣僚経験者)と批判が殺到した。
「解散総選挙を先にやるという菅首相の方針に安倍前首相、小泉環境相らが『総裁選から逃げたというイメージになる』とこぞって反対した。菅首相は天下の宝刀の解散権を封じられました」(官邸関係者)
菅首相は1日朝、わざわざ、官邸でぶら下がり取材に応じて「今のような厳しい状況で解散ができる状況ではない」「総裁選挙の先送りも考えてません」と戦略の修正を余儀なくされた。
同時に総裁選の目玉とされる二階幹事長を交代させる人事案も進んでいないという。後任には、甘利明元経済産業相、総裁選出馬を断念した下村博文政調会長、石破茂元幹事長、河野太郎ワクチン担当相、小泉進次郎環境相らの名前が浮上した。前出の閣僚経験者がこう指摘する。
「総裁選が9月末に予定通り、行われても菅首相が勝つという保証はどこにもありません。菅首相が負ければ、当然、幹事長は1か月足らずで交代となり、次の政権で干されることは目に見えている。今、幹事長になるというのは火中の栗を拾うようなもの。なり手がなかなか見つからないようです」
菅首相が目玉としたいのは、人気の高い河野氏と小泉氏。だが、河野氏は麻生太郎副総理兼財務相の麻生派だ。
「麻生氏が今回の総裁選で菅首相支持を明確にしていない上、ワクチン担当相として喫緊の課題が山積していることもあり、引き受けることはないだろう。小泉氏も菅首相と心中する気はないだろう」(自民党幹部)
今回の総裁選では国会議員だけでなく、党員投票も行われる。