辻元清美(つじもと・きよみ)/1960年4月28日生まれ。早稲田大学在学中にピースボートを設立。96年の衆議院選挙で初当選。社民党、民主党、民進党を経て、立憲民主党に所属(撮影/小暮誠)
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 東京五輪やコロナ対策など政治のさまざまな場面で、「おじさん議員」たちによる昭和的価値観が浮き彫りになった。どうすれば、「男性」「高齢」一色から脱却し、日本の政治は変われるのか。AERA 2021年9月13日号で、辻元清美・立憲民主党副代表が語る。

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──なぜ、日本では女性リーダーが誕生しないのでしょうか。

「妻が家で子育てをし、男性が会社で猛烈に働く」という高度成長期の成長モデルが関係していると思います。けれども、それはまさに日本社会が右肩上がりの時代の話。少子高齢化が進み、かつてのような高成長が望めない時代はバブル崩壊後にすでにやってきていたにもかかわらず、日本社会がモデルチェンジできなかったんです。だって今では男女共働きが当たり前でしょ。そうしないと若い世帯は食べてゆけない。子どもを産み、育てることができない。

 昭和おじさん世代の思考は、女性は「パートで働いて補助的に家計を支える」なんです。これが成功体験になってる。けれど、低成長の時代になると、社会の歪みそのものなんです。社会は男性が作る。女性は補助。日本ではこの価値観に支配されている男性が組織の決定権者として現役でいます。だから、結果として今でも非正規の7割が女性です。働く現場におけるジェンダー平等は全く実現されていない。育児、看護、介護などかつての日本では「女性が補助的にやってきた仕事」という分野は今も低賃金です。理由は女性の職場だからです。男性の新規参入もままならない。こうした現場を早々と男女で担っていくというモデルに変えたドイツや北欧は、これらの分野が成長産業になっています。

■目指さないとアカン

 それもこれも、日本では国会にあまりにも女性議員が少なすぎるという問題があります。それは立憲も同じ。私はよく言うのですが、枝野(幸男)さんに「自民党型のおっさんではないけれど、平成型のおっさんになったらあかん」と言っているんです。結局、執行部はほとんど男なんです。

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