■男にこびない強さ
最近では、2019年のドラマ「まだ結婚できない男」(フジテレビ)に出演した際、「(主人公・阿部寛の)『結婚してもしなくてもいろんな生き方がある』『生き方の多様性を認めない奴だお前は』というセリフを読んで、いろんな生き方に納得して自分でプライドを持って生きるのはいいなと思います」と取材に答えている。独身を謳歌する主人公の生き方についても「本当にうらやましくて、かっこいいなと思います」と本音を明かしていた。私生活では“おひとり様”を満喫しているのかもしれない。
こうしたライフスタイルに憧れをいだく視聴者も多いのか、最近ではアラフォー女性からの支持も高いという。
「49歳とは思えない美貌とスタイルをキープしているので、40代女性からの支持が高いんです。石田ゆり子さんのように、SNSで垣間見えるプライベートに親近感を覚える女優さんもいますが、彼女はその真逆。私生活を明かさないミステリアスな雰囲気が、憧れにつながっているのだと思います。また、独身を貫いて、男性にこびない強さもあわせ持っているという点では、女優の天海祐希さんに近いものがあるのかもしれません。稲森さんはカッコよさやクールさに加えて、どこかはかなげで可愛らしさも垣間見えるので、同じ世代の女優の中では珍しいな存在だと思います」(女性ファッション誌の編集者)
ドラマウオッチャーの中村裕一氏は、彼女の魅力をこのように分析する。
「初主演作である『ハッピーマニア』では男を見る目がない主人公・シゲカヨを魅力的に演じ、その後の人気を不動のものにしたと言えます。また、共演の藤原紀香とのコンビネーションも抜群で、日本のテレビドラマにおいて“女性バディ”の原型となった作品と言えるでしょう。28年連続で連ドラのレギュラー出演を果たしているのも、要所要所で安定感のあるしっかりとした演技を披露し、ドラマを引き締める役を担っているからです。大ヒットした『TOKYO MER』の月島のようなクールなキャラクターもお似合いですが、コミカルでおちゃめな演技もかわいらしい。これからもドラマに欠かせない存在として多くの作品に出演してほしいですね」
幅広い役柄をこなす演技力と、ミステリアスな私生活。人を引き付ける魅力と謎に包まれた人気女優の連ドラ出演記録はまだまだ止まりそうにない。(高梨歩)