※写真はイメージです (GettyImages)
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 圧倒的なオーラに、クールな孤高の人というキャラクター、そして美しいルックス。誰もが認めるトップスター、木村拓哉さんは「木村拓哉」を演じる努力を人知れず続けてきたのか? 映画「マスカレード・ナイト」で主演を務める木村さんに、素の自分を隠すマスカレード(仮面)は必要なのかと尋ねると──。

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前編/木村拓哉「この年になってもまだこんな思いをするんだ」と落ち込んだ】より続く

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──「マスカレード」は仮面の意味。世間が期待する木村拓哉像に応えるため、素の自分に仮面をかぶせることは?

 みんなが木村拓哉をどんなふうに見てくれているのかはわからないけど、素の自分とそんなに離れていないと思います。心にシールドをつけて無理して仕事をしている感覚は全くないので。

 でも、昔はそうじゃなかったかな。ペンライトを振って声援を送ってくれるファンの子たちに笑顔で手を振り返していた20代前半の頃は、知らず知らずのうちに仮面をつけていた気がします。自分からかぶるというよりは、現場に行くと必ず用意されているんですよ。「これが君の衣装で、キャラで、イメージだからね」って感じで。最初はそんなものかと思っていたけど、だんだん「これ変じゃね?」って思い始めて、外していった。

 当時の自分はハードロックにド影響を受けていました。あんなに髪を伸ばしてる奴は他にいなかったでしょ。目見えてんの?ってくらい額のバンダナをずり下げたり。でもそうやって、かっけーな、素敵だなって思うものを自分のサイドに引きずり込んで表現していったら、仮面なんて必要なくなった。嘘っぽいのが嫌になったんです。

 一つ、懐かしいエピソードがあって。SMAPのコンサートの途中、お客さんからの質問コーナーになったんですよ。「3階席の白いブラウスを着てる、そう、今うちわ振ってくれた君、でっかい声で質問言って」っていう感じで振ってみたら、「彼女いんのー?」って。

「いるに決まってんでしょ」って答えたら、会場中がキャーッて大変なことになり。終わってから、事務所の人に「何言ってんのあんた」って怒られました(笑)。

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