日本時間11月17日に発表されたサイ・ヤング賞で、大谷翔平は初めて得票してア・リーグ4位に入った(photo USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)
日本時間11月17日に発表されたサイ・ヤング賞で、大谷翔平は初めて得票してア・リーグ4位に入った(photo USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)
この記事の写真をすべて見る

 エンゼルスの大谷翔平は2年連続のア・リーグ最優秀選手(MVP)受賞を逃した。それでも、二刀流で過去にない成績を残した今季の活躍は決して色あせない。AERA2022年11月28日号の記事を紹介する。

【データ】大谷、ジャッジら最終候補となった選手の今季成績はこちら

*  *  *

 11月18日(日本時間)に発表されたア・リーグMVPは、62本塁打を放ったヤンキースのアーロン・ジャッジ(30)が初受賞した。MVPは全米野球記者協会(BBWAA)の各支部から選ばれた30人の記者の投票で選出される。ジャッジが有利という報道が多かったが、予想外の大差がついたと言える。ジャッジは1位投票が28票でトータル410ポイント、エンゼルスの大谷翔平(28)は1位投票が2票でトータル280ポイントだった。

■「クリーン」な62本塁打

 米国駐在の通信員は言う。

「ジャッジはア・リーグ新記録の62本塁打を放ったインパクトが大きかった。2001年にナ・リーグでシーズン記録の73本塁打を放ったバリー・ボンズを筆頭に、1990年代から00年代にかけてマーク・マグワイア、サミー・ソーサら強打者は筋肉増強作用のあるステロイドを使用していたという疑惑が取り沙汰された。ジャッジはクリーンな記録として新たな歴史を作った。ヤンキースをポストシーズン進出に導く活躍を見せた貢献度も評価されたと思います。大谷はエンゼルスが早々と優勝争いから脱落し、スポーツニュースで取り上げられる機会がジャッジに比べて大幅に少なかった。印象度の点でも投票に影響したと思います」

 だが、大谷の活躍は色あせない。投手として15勝9敗、防御率2.33、219奪三振。打者でも打率2割7分3厘、34本塁打、95打点をマーク。大リーグ史上初となる規定打席と規定投球回の両方に到達し、ベーブ・ルース以来大リーグで104年ぶりの2桁勝利&2桁本塁打を達成した。米紙ワシントン・ポストのニール・グリーンバーグ記者は、

「ショウヘイ・オオタニが21年に満票でMVPに輝き、22年はさらにいいシーズンを送ったのに、MVPに選ばれなかったのは理解できない」

 と自身のツイッターで今回の投票結果に疑問を呈した。

暮らしとモノ班 for promotion
【フジロック独占中継も話題】Amazonプライム会員向け動画配信サービス「Prime Video」はどれくらい配信作品が充実している?最新ランキングでチェックしてみよう
次のページ