CPAP療法
CPAP療法

 近年ではCPAP装置の小型化、軽量化、静音化も進み、加湿機能により乾燥が防げるもの、空気圧を自動調整できるものなど、より快適に使用できるようになっている。一方で、マスクやチューブの洗浄など、CPAP装置のメンテナンスは患者自身でおこなう。清潔に使用するためにも、医師の指示に従って正しく使用することが必要だ。

◆食生活の見直しや体重管理も重要

 SASでは生活改善、とくに体重管理も重要な治療のひとつだ。適度な運動習慣や食事の見直しなどにより肥満予防を心がけることが必要であり、「栄養士による栄養指導を受けてもらうこともある」と坂尾医師は話す。また軽症の人には、マウスピースによる治療法もある。睡眠中に専用のマウスピースを装着することで、下あごが前に出て舌が上に持ち上げられ、気道が広がりやすくなる。

「CPAP治療の適応にならない軽症の人では、マウスピース治療によりいびきや眠気の改善に効果があるといわれています」(白濱医師)

 CPAP療法や減量などで改善がみられない重症の場合、扁桃肥大やアデノイド肥大がある場合などは手術をおこなうこともある。ただし、手術をしても十分な効果が得られないことや、後遺症が残ることもあり、SASの治療で手術が選択されることは少ない。

「症状や重症度に応じた適切な治療をし、良質な睡眠をとることは、健康に生活すること、事故を防ぐこと、病気を防ぐことにつながります。SASの疑いがある人は早く受診し、SASと診断されたら治療をきちんと継続することが大切といえるでしょう」(同)

(文・出村真理子)

週刊朝日 2021年10月8日号より

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