発売中の「AERA Money 秋号」
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 4000円まで目減りした時点では、もともと10万円分の取引をしている(ことになっている)わけだから、「10万円÷4000円」でレバレッジは25倍まで上がっている。

 まさにギリギリの水準。取引しているFX会社からは「そろそろ追加で証拠金を入金(追い証)しないとポジションを強制決済しますよ」という通知が来てしまう。

 さらに1ドル=92円まで下がったらレバレッジは25倍を超えているのでFX会社から強制決済され(タイミングは各社で異なる)、手元資金は2000円に。

■失っていい資金の 10分の1ではじめる

「初心者はまず、失ってもいいお金がいくらかを考えてください。その金額のさらに10分の1程度のお金でFXをはじめるのがいいでしょう。

 失ってもいいお金の許容範囲が10万円なら、まずは1万円を入金し、レバレッジは1倍。そして100通貨、つまり1円の値動きで100円の損益になるような低リスクの売買に徹しましょう。

 取引の練習中は元手の1%=100円を損したら、必ず損切り(マイナスを覚悟で売却する)。それぐらい用心深く取引して、FXに慣れましょう」

 出したお金以上の取引ができるFXは、慣れてくると「もっと儲けたい」「絶対に損したくない」という感情との戦いになる。

「損失を取り戻そうと熱くなり、大きな取引をして、さらに大損して一発退場……というのがFXにありがちな負けパターンです。

 レバレッジを利かせられるおかげで投入した資金を倍にするのも不可能ではないですが、半減させてしまうのは簡単。

 そうした失敗を防ぐためにはどんなテクニックより、まず資金やメンタルの管理。『ここまで予想が外れたら必ず売却する』という損切りルールを守ることが必要不可欠です」

■FXの見えないコストとは

 FXをはじめるために、証券会社やFX会社などで専用の口座を開設しよう。「自己資金1万円・レバレッジ1倍」でFXをはじめるなら、最低100通貨単位から取引できる金融機関がいい。1万円ではさすがに少なすぎると思うなら、1000通貨単位の金融機関でもいい。

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100通貨から取引できるのは…