政治資金を巡っても、法務副大臣時代の13年5月、巨額年金資産消失事件を起こした企業の傘下の証券会社から、100万円以上の政治資金を受け取っていたことが問題視された。後藤氏は、この証券会社の代表から50万円の寄付を受け、資産運用のため同社株式を200株(額面で計1000万円)保有していたことも明らかになった。後藤氏は当時の朝日新聞の取材で、政治資金について「政治資金規正法にのっとり適正に届け出た。多くの被害者を出した会社なので返還することにした」と説明した。
農林水産相に選ばれた金子原二郎氏(77)も政治献金絡みの疑惑があった。
13年、金子氏が自民党総務会長代理だった時、海上自衛隊のパソコンを地元業者から購入するように防衛省に圧力をかけ、地元業者らから合計240万円もの政治献金を受け取っていた疑惑が、しんぶん赤旗で報じられた。当時、赤旗の取材に対して金子氏の秘書は「(防衛省には)相談を受けた企業の名前は出さず、その後の経過報告も求めていない。圧力ではないと認識している」と述べた。
文部科学相となった末松信介氏(65)は、教育行政のトップになる身でありながら、10年の参院選で出所不明の1157万円にのぼる巨額の寄付金を収支報告書に記載せず、16年に市民団体から政治資金規正法違反の疑いで刑事告発された過去がある。末松氏の事務所は、当時、日刊ゲンダイの取材に対して「1157万円は、末松本人が自己資金として支出した資金を誤って政党支部からの支出と記載した」と答えている。14年には政治資金でエルメスなど高級ブランド品を購入していたことが批判された。
新内閣の目玉となった女性閣僚も例外ではない。
ワクチン担当相となった堀内詔子(のりこ)氏(55)は3回生ながら初入閣となった。詔子氏の夫は山梨県の富士急行社長の堀内光一郎氏。富士急グループはアミューズメントパークの富士急ハイランドなどでも知られる運輸、観光、不動産の一大グループだ。それゆえ、記者が地元を取材すると「詔子さんは、地元の富士急グループの利益を守るために、議員として出ているようなもの」という厳しい意見もあった。山梨県とは県有地の賃貸借契約に関して長らく訴訟になっている。