10月11日に開催のプロ野球ドラフト会議。各球団のスカウト陣にとっては1年の総決算と言える日だが、来年に向けての戦いは水面下で既に始まっている。2022年のドラフトでは果たしてどんな選手が注目されるのか。少し気が早いが、現時点で1位候補になりそうな有力選手を探ってみたいと思う。
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まずあらゆる意味で最も注目を集める可能性が高いのが矢沢宏太(日本体育大)だ。高校生の場合エースが中軸を打つことも珍しくないが、矢沢はそれを大学野球で実現している。高校時代から神奈川県内では評判のサウスポーだったが、進学後はまず野手として台頭。2年秋には外野手としてベストナインを獲得している。今年になってからは投手としてもエース格へと成長。春のリーグ戦で3勝2敗、防御率0.90という見事な成績を残すと、この秋もここまで5試合に登板して3完封をマークしている。
もちろん野手としても出場は続けており、登板する時も打席に立ち、登板しない日は指名打者としてプレーしている。173cmと上背はないもののストレートはコンスタントに145キロを超え、打者の手元で鋭く変化するスライダーも一級品。高校時代に課題だったコントロールも大学で明らかにレベルアップしている。野手としても全身を使ったフルスイングは迫力十分で、芯でとらえた時の打球の速さ、飛距離は大学球界もトップクラスだ。また2年秋に参加した大学日本代表候補合宿での50メートル走では、並木秀尊(ヤクルト)、五十幡亮汰(日本ハム)に次ぐ全体で3番目のタイムをマークしており、そのスピードも大きな魅力である。大谷翔平(エンゼルス)とは少しタイプは違うものの、プロでも二刀流の可能性を秘めた選手であることは間違いないだろう。
現時点で矢沢に続く存在となると大学生野手に目玉候補が多く、まず山田健太(立教大・二塁手)、蛭間拓哉(早稲田大・外野手)、森下翔太(中央大・外野手)の強打者3人の名前が挙がる。山田は2018年に春夏連覇を達成した大阪桐蔭のメンバーで、立教大でも1年春からレギュラーとして活躍。3年生ながら現役選手ではトップとなるリーグ戦通算59安打をマークしている(10月10日終了時点)。広角に長打を放つことができ、安定したセカンドの守備も魅力だ。