(AERA 2021年10月18日号より)
(AERA 2021年10月18日号より)

池上:なるほど。

山口:もっと危機感があれば、国民的人気の高い河野太郎さん、初の女性宰相として高市早苗さんや野田聖子さんを選んだかもしれない。でも、岸田さんが選ばれた。このままでいいという自民党国会議員の意思表示だと思います。

池上:ものすごい皮肉ですね。民主主義の危機だと言っている岸田さんを危機感のない自民党議員たちが押し上げたなんて。

山口:閣僚や党役員の人選を見ていると、派閥バランスや衆院選の選挙区で勝てるようにという政治的な思惑が先に出ている感じも否めません。

池上:国土交通相に公明党で広島3区の斉藤鉄夫さんを起用しました。実は(党広島県連会長の)岸田さんは広島3区に斉藤さんが来ることを非常に嫌がって反発していたといいます。公明党との関係が悪くなってはいけないという、選挙対策の起用でしょう。びっくりしました。

(構成/編集部・福井しほ)

AERA 2021年10月18日号より抜粋