眞子さまが精神疾患だと発表されて、すぐに頭に浮かんだのは、今も病と向き合われている雅子皇后のことだ。病名は違っても雅子さまに与える影響や、同じ「複雑性PTSD」に苦しまれている人たちのことも気になった。

 振り返れば、雅子さまは10年以上もバッシング記事にさらされてきた。火の粉は皇太子(現天皇)や幼い愛子さまにまで及び、雅子さまは「自分のことなら我慢するけれど、陛下や愛子のことまで言われるのはつらい」と吐露されていたという。

 宮内庁は、こうした雅子さまの苦しみと悲しみのお気持ちを、眞子さまに繰り返させないために積極的に策を練り、「守りきる」ことはできたのではないだろうか。

「宮内庁は、官僚人事なので長くお仕えするということはありません。天皇家や秋篠宮皇嗣家といった独立した組織にそれぞれお仕えしていますので、長官に報告を上げるのはすべて終わってからです。そこに難しさがあるのです」(宮内庁職員)

 陛下も皇太子時代から、何十年もの間、相談できるような有識者を探しておられたというが、いまだにそのような人物はおそばにいない。

 宮内庁参与ではなく、もっと身近で進言も厭わない人物を本気で探すか、宮内庁の中に問題が起きた時に対処する専従班を配置するなど根本的な構造改革を行えるかが問われている。そうでなければ同じような悲劇を繰り返すだけではないだろうか。

 雅子さまも「力が入らない」「怖い夢を見る」などのご体調の不調を訴えられて、自ら公務先の医者などに相談してから、やっと主治医が着任したのは皇太子(現天皇)の「人格否定発言」のあった04年。同年7月に病名「適応障害」の発表となるまでには、雅子さまが体調の変化を訴えられてから、実に3年も要した。

 皇太子当時の陛下は主治医と相談しながら、雅子さまの治療に向けての環境作りをなさり、サポートをされてきた。雅子さまの場合、皇室という限られた環境下での治療という難しさがあった。

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