
朝夕が少し涼しくなって、夕涼みがてら、のんびりと竿を出すのが気持ちいい季節になってきました。
数ある海釣りの中で、最も手軽で、初心者でも簡単に魚が釣れる手法といえば、サビキ釣りではないでしょうか。そしてその対象魚として人気なのが、アジです。
10月も半ばになってくると、堤防からでも簡単に15センチ以上の食べごろサイズのアジが釣れます。釣って楽しく、食べても美味しい一石二鳥の釣りができます。
筆者が時々行っていた和歌山県の漁港には、夕方に簡単な仕掛けを持ってやってきて、夕飯のおかず用にと30分もかからずに、10匹から20匹のアジを釣って帰って行くおばちゃんがいました。
農家育ちの筆者は、「家の前の畑から、ちょっときゅうりやトマトを採ってくるみたいな感覚なんやろなぁ」と思っていました。
アジの語源は、まさに「味」からきていると言われ、古くから味が良いことで人気の魚だったようです。お刺身はもちろん、フライや南蛮漬け、干物など、好みに応じていろんな食べ方で美味しく食べられます。お刺身にする時にちょっと面倒な皮引きも、手で簡単にできますし。

筆者は、一時「アジのなめろう」にはまっていました。持って帰ったアジを、味噌やみょうが、ネギなどいろんな薬味と混ぜて、トントン、トントン。今でも、居酒屋などに行ってメニューに載っているとつい頼んでしまいます。お店によってそれぞれの味わいがあって、とても奥が深い料理だと思っています。
堤防などから主に釣れるのは、マアジです。たまに体色が金色のゴージャスなアジが釣れることもありますが、それは“居付き”のマアジです。
一般的にマアジは、成長すると日本の沖合を回遊します。一部、餌が多い内海にとどまっているものがいて、それらをその体色から“黄金アジ”とか“黄アジ”と呼んでいます。
アジは、スズキ目アジ科に属する魚の総称で、約150種類ものさまざまな「アジ」がいます。ブリやカンパチなどもアジ科に属するアジの仲間になります。
一般的にスーパーなどで販売されているアジは、20センチから30センチ程度までだと思いますが、なかには、最大で2メートル近くにまでなるアジもいます。