河北:はい。ふつうの現地の学校に行ってました。
林:子どものときからブロードウェーのミュージカルとか見てたんですか。
河北:はい、見てました。
林:「キャッツ」とか「オペラ座の怪人」とか?
河北:「キャッツ」は、メチャクチャ繰り返し見ました。「オペラ座の怪人」も2回ぐらい見に行きました。
林:そのときから、私もああいう世界に行こうと思ってたんですか。
河北:ぜんぜんそんなことはないんです。たまたま11歳のときに、日本で「美少女コンテスト」(「全日本国民的美少女コンテスト」)というのがあることを知ったんです。それまでは将来何になりたいとかも考えないで、ふつうに学校に通ってたんですけど、「美少女コンテスト」というのに出会って、その年の夏休みは日本に行く予定がなかったので、コンテストに受かったら日本に行けるんだと思って、それで写真だけ送ってみたんです。落ちても何かを失うわけでもないし。
林:そうしたらトントントンッて行っちゃったんだ。
河北:まず10万人の中から書類選考で千人に絞られて……。
林:えっ、10万人も応募があるんですか。
河北:はい。「10万人の中の千人に選ばれました」って電話があって、家族で「それってすごくない?」「もう行くしかないでしょう」という話になり、日本に行くことにしました。その千人は対面式の面接があるんです、東京で。
林:ニューヨークからの旅費とか主催者側が出してくれるわけ?
河北:えーと、どこまで出してくれたか覚えてないんですけど、千人からどんどん絞られてきて、本選大会は21人なんです。その21人に選ばれて本選大会に出られることになったんです。
林:すごいじゃないですか。
河北:びっくりしました。私はそのとき、ニューヨークに帰るというのが絶対条件というか、そのまま日本に住むことはまったく考えていなかったんです。ところが、まさかと思っていたグランプリを取れてしまって、そこから日本に行くことを考え始めました。