妻は番組で、お風呂の苦情も言っていました。僕は朝と昼、必ずお風呂に入ります。目が覚めないからです。
妻が怒ってるのは、僕がお風呂を出た後に、掃除してこないことです。妻は「お風呂、掃除してきてね」と言いますが、僕はシャワーで流して終わりにしてしまいます。
妻は「掃除」とリクエストしていますが、僕は「流す」で終わりにしてしまう。本当は掃除しなきゃと思っているんですよ。だけど、流すことしかできない。なんでだろ?と聞かれても答えが出ない。でも、結局のところ、それって甘えているってことなんでしょうね。いや、そうなんです。
妻がやってくれると思うからこそ、流すだけで終わらしちゃうんですよね。僕は流してるからOKだと思ってましたが、こないだの番組を見る限り、OKじゃなかったんですね。
こうやって妻が我慢していることをテレビを通して知れるだけ幸せかもしれません。
あえて言わないけど、小さな我慢と許しをたくさんしてくれているから、成立しているんだなと20年目のスタートで気づく。
妻よ、申し訳ない。そしてありがとう。これからも。こんな僕をお許しください。
■鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中。毎週金曜更新のバブル期入社の50代の部長の悲哀を描く16コマ漫画「ティラノ部長」と毎週水曜更新のラブホラー漫画「お化けと風鈴」の原作を担当し、自身のインスタグラムで公開中。コミック「ティラノ部長」(マガジンマウス)は10/4に発売になった。「お化けと風鈴」はLINE漫画でも連載スタート。YOASOBI「ハルカ」の原作「月王子」を書籍化したイラスト小説「ハルカと月の王子様」が好評発売中。長編小説『僕の種がない』(幻冬舎)が発売中。