絵を描き続けるためのアルバイトみたいなところから始めた仕事だから、僕は急にクビになったとしてもあまり執着はありませんでした。お互いに仕事だと割り切っていて、それがたまたま上手くいったから続いている。お互いに変な執着がないから成り立ってきたのかもしれませんね。

◇ ◇ ◇

 インタビュー中、早川さんは何度も「僕はクリエイティブなことをしたわけではない」と話した。本分はあくまで絵であるという意識や、二次創作を強いて自分の手柄のように言いたくないという謙虚さがそうさせるのかもしれないと思った。しかし、結果として生まれた早川さんと沢田のコラボレーションは、少なくとも筆者には唯一無二の芸術としか捉えることができない。

 今回発売される作品集は沢田のファンのみならず、すべての美の探求者たちにとって大きな感動と気付きを与える歴史的なものになると思う。発売日は本記事の執筆次点では「今冬」とぼかされているが、これは直前まで推敲を加え、できうる最良のものを作りたいという思いの現れだろう。あわてず期待して待ちたい。

(中将タカノリ)

●早川タケジプロフィール

はやかわ・たけじ 東京出身。画家、デザイナー、アートディレクター、イラストレーター、衣装デザイナーと多彩な方面で活躍。衝撃的で甘美な世界観で、芸能人のスタイリストとしても一時代を築く。

 ※週刊朝日オンライン限定記事

暮らしとモノ班 for promotion
台風シーズン目前、水害・地震など天災に備えよう!仮設・簡易トイレのおすすめ14選