当選を確実にし、笑顔を見せる立憲民主党の小川淳也氏(c)朝日新聞社
当選を確実にし、笑顔を見せる立憲民主党の小川淳也氏(c)朝日新聞社

 では、次の代表や執行部は誰か。ジェンダーの多様性も含めた次世代の登場が期待されるのでしょう。政治記者ではない私に判断はつきかねますが、小川淳也氏などは有力候補の1人ではないでしょうか。今回は香川1区で前デジタル担当大臣の平井氏を破り、堂々当選した。平井氏は香川で圧倒的なシェアを誇る地元紙のオーナー一族ですが、それを正面から打ちまかしたのは象徴的な実績で、ネット世代の支持も厚く、面白い。やはり京都3区で勝ち抜いた党政調会長の泉健太氏らも候補に挙がるでしょう。

 ただ、辻元清美氏が今回落選したのは痛恨事で、女性を含めた次世代の野党リーダーをもっと育てていくことも重要です。それを旧来の野党幹部自身、自覚して行動すべきです。

 今回の選挙結果を受け、連合や一部メディアなどからは野党共闘が間違っていたかのような声が出ているようです。しかし、野党共闘の方向性は正しかったと私は見ています。というより、現在の小選挙区制では、野党が一本化しなかったら、自民・公明と勝負にさえなりません。

 むしろ、共産という「左側」の勢力を包み込みつつ、さらにはもっと「まん中」の層にも広くウイングを伸ばし、幅広いリベラル勢力の塊を作らないと、現実的には巨大与党にかなわない。多くの人びとには安定志向という名の現状追認の力が働きがちですし、自民党は「まん中」から「右側」の勢力まで押さえています。したがって今回の敗北の原因を「左側」だと捉え、それと手を切ればいい、などと総括するのは浅はかにすぎます。

 確かにいまだ一部の層や勢力には“共産党アレルギー”があるようです。ただ、共産党も変わっています。今回の野党共闘も、むしろ共産党が譲歩したからこそ実現した。田村智子氏のような若い世代も出てきていて、志位委員長から次の世代へと指導部が移れば、さらに変わっていくでしょう。

 一方の自民党はどうかといえば、いまだに旧態依然たる“おっさん政治”です。安倍晋三氏や麻生太郎氏が幅を利かせ、政権を裏で牛耳り、古色蒼然とした価値観を振りまいている。

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粘り強く大きな塊をつくるべき