■リラックスしたくない
――舞台中のリラックス方法を尋ねると、「リラックスはしたくない」と言い切った。
神宮寺:歌ったり踊ったりもないので、体力的には問題ないと思うんですけど、演じれば演じるほど精神が蝕(むしば)まれていくと思います。でも、今回はそれで正解なんです、きっと。
リラックスできる時間はあると思うけど、とことん自分を追い込んでやろうと思っています。もう緊急事態宣言下ではないですが、今はまだ外に遊びに行けないので、家にこもって、資料を見るなり原作本を読むなり、作品にどっぷり浸かります。ストイックというよりは、そうすることで安心材料を得ようとしているんだと思います。心配なんですよね。
これまでの舞台は、「僕を見に来てくれる」という作品が多かったと思います。もちろんそれはうれしいんですけど、今回は作品で魅了したい。僕を見に来てくださった方も、気づくと舞台の世界観に引き込まれて夢中で見ていてくれたら、最高ですね。
(構成/ライター・大道絵里子)
※AERA 2021年11月15日号

