「そのキャラクターが今どんな気持ちなのか、自分の中にちゃんと伝わってきた上で表現ができた時は、うまくはまったなって思います」
昨今、「声優」という仕事は注目されることが増え、バラエティー番組に出演することもあれば、アイドル的な人気を誇ることもある。
「声優を目指す人が増えるのは、アニメ業界も盛り上がるのでよいことだと思います。だけど、テレビに映るキラキラした部分だけを期待していると、大変なことになるんじゃないかな。裏方の仕事ではあるし、技術を持っている人が生き残っていく職人の世界なので」
10年選手となった今、改めて思う声優という仕事の魅力は、「30歳になった今でも10代20代の役ができる。それと同時に、年を重ねるごとに役の幅が生まれて、役の中でいろんな経験ができること」だという。
真っすぐな視線の先には、これから出会う新たなキャラクターたちの存在が確かに息づいているように見えた。(ライター・小松香里)
※AERA 2021年12月6日号