メイン画像
メイン画像

この冬、ラニーニャ現象の影響で、日本付近に寒気が流れ込みやすい予想でしたが、違う見解もでてきました。

2つの偏西風

画像A
画像A

日本に寒気が流れ込む大きな原因は、日本付近で偏西風が南に蛇行することです。偏西風は、寒帯前線ジェット気流と呼ばれる高緯度帯の偏西風と、亜熱帯ジェット気流と呼ばれる中緯度帯の偏西風があります。

これら2つの偏西風がともに日本付近で南へ蛇行すると、顕著な低温をもたらします。

ラニーニャ現象の影響 中緯度帯の偏西風は日本付近で南へ蛇行

ラニーニャ現象の影響で、インドネシア付近の対流活動が、平年より活発になっています。このため、インドやチベット付近で、中緯度帯の偏西風は北へ蛇行し、日本付近で南へ蛇行しやすい状態になっています。

12月初め 高緯度帯の偏西風も南へ蛇行

高緯度帯の偏西風の動向をみると、27日ごろから、ヨーロッパで偏西風が南へ蛇行し始めました。12月初めにかけて、偏西風がヨーロッパで南へ蛇行、シベリアで北へ蛇行するでしょう。この影響で、日本付近で、偏西風の南への蛇行が強まる傾向です。中緯度帯の偏西風と高緯度帯の偏西風、2つの偏西風がともに、日本付近で南へ南下することになります。

12月初め、寒気が流れ込むタイミングは2回、12月1日頃と4日頃です。

30日から12月1日にかけて、低気圧が発達しながら、日本海からオホーツク海に進むでしょう。低気圧から延びる寒冷前線が日本列島を通過し、広く雨が降る見込みです。前線の通過後は、この時期としては強い寒気が、西周りで流れ込み、2日頃を中心に、北海道や東北、北陸は雪が降るでしょう。九州では年末年始頃の寒さになる見込みです。

4日頃は、日本付近は西高東低の冬型の気圧配置になり、北から寒気が流れ込むでしょう。4日頃を中心に、北海道や東北、北陸は雪が降る見込みです。

4日頃の寒気流入のあと ラニーニャ現象の影響 当初と違う見解

当初は、ラニーニャ現象の影響で、この冬の期間を通して、中緯度帯の偏西風が日本付近で南へ蛇行しやすい予想でした。

29日の最新の資料では、違う見解がでてきました。4日頃に寒気が流れ込んだあとは、インドネシア付近で対流活動が活発でなくなり、偏西風の北への蛇行が、インドやチベット付近から次第に東へ移ると予測している資料があります。このような場合は、日本付近へ寒気が流れ込みにくくなります。そればかりか、全国的に高温傾向に転ずることも考えられます。

クリスマスや年末年始どうなる? 今のところの資料で年始にかけての傾向

ヨーロッパ中期予報センターの資料では、今のところ、4日頃の寒気が抜けると、2022年1月上旬にかけて、日本付近で2つの偏西風がともに南へ大きく蛇行する傾向はみられず、日本に強い寒気や寒波をもたらすサインはありません。

予報に大きな幅がある状況になってきています。今後、最新の気象情報をご確認ください。