「新女性」(1935年、中国)1930年代の上海を舞台に自立か男性への依存かで揺れる女性を描く。山内菜々子の活弁と宮澤やすみの三味線付きで上映。蔡楚生(ツァイ・チューション)監督/国立映画アーカイブ所蔵
「新女性」(1935年、中国)1930年代の上海を舞台に自立か男性への依存かで揺れる女性を描く。山内菜々子の活弁と宮澤やすみの三味線付きで上映。蔡楚生(ツァイ・チューション)監督/国立映画アーカイブ所蔵

学びが行動につながる

 そんななか、映画祭での学びは行動にもつながった。先の総選挙では、取材したメンバー5人中、実家に住民票がある1人をのぞく全員が投票した。「選択的夫婦別姓やジェンダーについての政策を気にするようになった」と全員が口をそろえる。

 上野さんもエールを送る。

「日本の状況を変化させるためには、行動して社会を変えないとダメ。いまはSNSでのアクティビズムなどハードルが下がりました。こうした映画祭をはじめ、どんどん声を発信してほしい」

 前出の林さんは言う。

「ジェンダー・ギャップを一過性のブームにしたくない。そのためにも私たち自身が考え、行動を続ける必要があると感じています」

ジェンダー・ギャップ映画祭運営メンバーが選んだ15作品

「少女は自転車にのって」(2012年、サウジアラビア・ドイツ)サウジアラビア初の女性監督、ハイファ・アル=マンスールが自国の女性差別に抗う少女の奮闘を活写する(c)2012, Razor Film Produktion GmbH, High Look Group, Rotana Studios All Rights Reserved.
「少女は自転車にのって」(2012年、サウジアラビア・ドイツ)サウジアラビア初の女性監督、ハイファ・アル=マンスールが自国の女性差別に抗う少女の奮闘を活写する(c)2012, Razor Film Produktion GmbH, High Look Group, Rotana Studios All Rights Reserved.
暮らしとモノ班 for promotion
2024年の『このミス』大賞作品は?あの映像化人気シリーズも受賞作品って知ってた?
次のページ