小栗旬
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 小栗旬(38)が主演する、「日本沈没 ―希望のひと―」(TBS系)の勢いがすさまじい。初回視聴率15.8%を皮切りに、以後も15%台で推移。第一章の最終話にあたる第5話は16.9%と大きく数字を伸ばした(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。地上波オンエア後にはすぐさまNetflixでも全世界配信されており、そこでも常に上位にランクインしている。

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 小松左京による有名SF小説が原作だが、今回の2021年版は大幅なアレンジがなされた。小栗演じる主人公を含む主要キャラのほとんどが原作にはないオリジナルで、テーマも地球環境を大きくクローズアップするなど大幅なアレンジが加えられている。12月12日には2時間3分に及ぶスペシャル版として最終回を迎えるが、同作品の魅力をエンタメ雑誌の編集者はこう語る。

「日本が沈没する、という荒唐無稽な物語に信ぴょう性を与えているのは、やはり小栗さんの抜群の演技力とヒーローとしての安定感でしょう。国土を失うという前提で始まった移民化計画が思うように進まないなか、総理や海外のキーマンたちとシリアスな交渉を重ねるさまはまさしくヒーローそのものですが、実はバツイチで部屋は散らかっていたりもする。そんな等身大のヒーロー像をしっかり演じ切れるのは、この世代では小栗さんしかいない。今クールでは『ドクターX』の最新シーズンがオンエアされているため、視聴率では『日本沈没』の分が悪いと予想されていましたが、同じ話数で比べると、4~7話は『日本沈没』が勝っています。あの大人気ドラマを上回れるとは、さすがは小栗旬だと思いました」

 コロナ禍に突入してからもうすぐ約2年。緊急事態宣言が発出されたり、東京オリンピックが延期になったりなど、まさに全国民が“国難”を体験した2年でもあった。こうした時期にこのドラマが放映されたことも非常に興味深い。

「このドラマの企画が立ち上がり、小栗さんがキャスティングされたのは実はコロナ前でした。撮影はコロナ禍で行われましたが、役者陣もスタッフも『なぜこんなときにこの作品を世に出さなければいけないのか』という思いに至り、悩んだこともあったそうです。しかし、みんなが苦しい思いを共有していたからこそ、この物語がより深く視聴者の胸に突き刺さったとも言えます。最終回は2時間3分という超拡大版となりますが、実はTBSの看板枠である日曜劇場としては10年ぶりの試みです。全世界がいまだコロナ禍である今だからこそ、希望のあるラストシーンを期待したい」(前出の編集者)

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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小栗演じるヒーローは「人間的弱さを持っている」