来年1月からは、新たな主演作である大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が満を持してのスタート。撮影は6月から始まっており、脚本は同枠で「新選組!」「真田丸」を手掛けた三谷幸喜とあって早くも注目を集めている。スポーツ紙の芸能担当記者はこう語る。
「小栗さんが演じる北条義時を、三谷さんは『強くてかっこよくて優しいヒーローではない、酸いも甘いもかみ締めた人間的弱さを持っている』と解説しています。だから小栗さんをキャスティングしたということに妙に納得しました。陰のあるダークヒーローは小栗さんが得意とする役どころです。小栗さんは三谷組の常連ではありませんが、本作の脇を固めるのは大泉洋、佐藤浩市、山本耕史、鈴木京香ら三谷組が勢ぞろい。そんななかで、小栗さんはどんなヒーロー像を見せてくれるのか、楽しみでなりません」
■ハリウッド進出も出演シーンの多くはカット
一方で小栗は今年、ちょっとした挫折も経験している。
「今夏、小栗さんの出演したハリウッド作品『ゴジラvsコング』の公開がありました。全米では興行収入1億ドル(約111億円)超えとヒットを飛ばしましたが、日本では20億円ほどと大作の割にはやや低調な仕上がりになりました。同作品で小栗さんは単身撮影現場に乗り込むもやはり英語の壁は高く、かなり苦戦したようです。自身も英語力のなさをたびたび嘆いていました。仕上がりを見ると出演シーンも相当カットされており、ハリウッドの洗礼を受けたようです。その悔しい経験が大河ドラマにどう生かされているのか注目したい」(脚本家)
TVウオッチャーの中村裕一氏は、小栗旬の魅力をこう語る。
「『日本沈没』で小栗さんは、香川照之や仲村トオル、石橋蓮司らそうそうたる先輩俳優たちに囲まれながらも実に堂々とした演技を見せてきました。抑えた演技や表情のなかにも怒りや憤り、最後まで諦めない強い意志がしっかり込められており、見応えのある芝居に毎回心を打たれました。また、彼が演じる主人公の盟友を演じる松山ケンイチとのコンビネーションも実に素晴らしい。主役としての華があるのに、決して悪目立ちすることなく、相手の芝居をキチンと受け止めた上でその良さも引き出すことができる才能があります。コロナ禍やハリウッドでの挫折を経て、生まれまわった小栗さんがどんな有終の美を見せてくれるのか、楽しみでなりません」
果たして「日本沈没」はどのような結末を迎えるのか。小栗の演技と共に胸に焼き付けたい。(藤原三星)