分厚い選手層で駒澤大と並んで優勝候補筆頭に挙げられる青山学院大では、近藤幸太郎(3年)と岸本大紀(3年)が2区の候補になる。近藤は今年の全日本駅伝で田澤に最後まで食らい付き、学生トップレベルの実力を証明し、頼れるエースになった。前回大会では7区を走って区間3位。そこから大きく成長しており、「ヴィンセントvs田澤」の争いに割って入れる可能性を持っている。対する岸本は、1年生時に2区を走って1時間7分03秒で区間5位(日本人3位)と好走。その後、大腿骨疲労骨折の影響でレースから遠ざかっていたが、今年の全日本駅伝で復活し、3区で区間3位(日本人トップ)の走りを披露。過去の経験を優先するならば、岸本が2区、近藤が3区を担当することになる。
さらに全日本駅伝で3位に入った順天堂大には、今夏の東京五輪3000メートル障害で7位に入賞した三浦龍司(2年)がいる。前回の箱根では1区で出走するも、スローペースの波に飲まれる形で区間10位に終わった。だが、ハーフマラソン1時間1分41秒(U20日本最高記録)の実力に疑いの余地はなく、今年11月の全日本駅伝では2区で区間賞の快走を見せた。難易度の高い箱根の2区は「2区のための練習が必要」と言われており、三浦は起伏の少ない3区、もしくは再び1区でリベンジを狙うプランがあるが、駅伝ファンとしては「ヴィンセントvs田澤vs三浦」の争いを期待したいところ。三浦のエントリー区間によって、レース全体の展開も大きく変わることになる。
そして例年と同じく、今回も多くの留学生ランナーたちが2区を走ることが予想される。「もう一人のヴィンセント」である国士舘大のライモイ・ヴィンセント(4年)は、1年生時から2区を走って3位、2年生時は4位で、3年生となった前回も1時間7分09秒で区間2位という安定した走り。4年連続の2区出走はほぼ確実で、真っ向勝負で「打倒ヴィンセント」に挑むことになる。