皇太子ご夫妻(当時)と共に学習院女子中等科入学式場に向かう愛子さま/2014年4月6日、東京都新宿区
皇太子ご夫妻(当時)と共に学習院女子中等科入学式場に向かう愛子さま/2014年4月6日、東京都新宿区

■人柄がにじむ記述

 この作文、昨年8月12日に中満泉(なかみついずみ)国連事務次長がツイッターで紹介している。前日、陛下と雅子さまに核軍縮について話をした席で渡されたという。進講に関連して娘が立派な作文を書いていたら、ついつい渡したくなる。そんなお二人の親の気持ちが伝わって、ほっこりしたことも思い出した。

 ところで愛子さまの「言葉の力」だが、「世界の平和を願って」に限った話でない。学習院女子高等科の先生が、太鼓判を押しているのだ。成年にあたり宮内記者会が「在学中で印象深かった思い出」を中学、高校時代の恩師に尋ねた中で、高3のクラス担当教員がこう答えている。

<現代文の授業の感想では人生は有限だということを再認識され時間は戻らないものなので今を充実させたいということ、休み時間に学内で販売されている「ごきげんよう弁当」を注文して楽しみにしていること、高3になるまで無欠席であった友人の急な欠席を非常に心配していることなど、お人柄がうかがえる記述が思い出されます>

 きっと作文の話だろう。人生の有限性からお友だち、そして「ごきげんよう弁当」。幅広く、具体的な記述から人柄がにじむとは、まさに「文才」だ。

 ということをお誕生日当日の朝に報じたのが、「めざまし8」(フジテレビ系)。皇室担当解説委員も出席、紹介したのが中学1年時に執筆したという“短編小説”だった。学習院女子中等科・高等科「生徒作品集」(2014年度版)に掲載されたものだそうだ。

■看護師愛子を包む空気

「私は看護師の愛子。最近ようやくこの診療所にも患者さんが多く訪れるようになり、今日の診療も外が暗くなるまでかかった」と始まる。

 待合室で居眠りをしてしまった愛子が気づくと、診療所は海の上。流されたのか、町が海に変わったのか。助けを呼ぶにも電話が通じない。翌朝、扉を叩く音がする。片足を怪我したカモメだ。手当てをしたら、それから次々と海の生き物が来るようになる。治療するうち、愛子の名は海中に知れわたる。そして、話はこう終わる。

<そう。愛子の診療所は、正に海の上の診療所となったのだ。今日も愛子はどんどんやって来る患者を精一杯看病し、沢山の勇気と希望を与えていることだろう>

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