大阪市北区曽根崎新地の火災現場(撮影・今西憲之)
大阪市北区曽根崎新地の火災現場(撮影・今西憲之)
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 大阪市北区曽根崎新地で17日午前に発生し、27人が心肺停止となっているビル火災。大阪府警は放火の疑いもあるとみて捜査しているという。

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 府警や大阪市消防局によると、17日午前10時20分ごろ、大阪市北区曽根崎新地の堂島北ビルで、「4階が燃えている」などと119番があった。消防車など40台以上が出動して消火や救助活動にあたった。火元は4階にあるメンタルクリニックとみられ、フロア約20平方メートルが燃え、27人が心肺停止となっており、3人の死亡が確認されたという。

 現場の向かいのビルから火災を目撃した自営業者はAERAdot.の取材に対し、こう証言した。

「向かいのビルから火の手が上がり、びっくりした。現場のビルへ様子を見に行くと、6階から助けを求めている女性がいた。すごく熱そうで不安そうな表情だった。消防の梯子車が到着したが、安定させるのに時間がかかり、その間、女性らに向かって水をかけていました。そして、消防の梯子車がようやく到着したが、6階にいる女性まであと少し、届かない状態が続いた。その後、何とか消防員が女性を抱えて、助け出した。女性が下に到着した時、『大丈夫?』などと周辺から声がかかり、『はい』と頷いていた。火がつくと、煙がたちまち上がり、火の回りが早く感じた。逃げ遅れて屋上まで避難して助けられた人もいました」

消防の梯子車で現場に火災現場に消防隊員(提供)
消防の梯子車で現場に火災現場に消防隊員(提供)

 現場はJR北新地駅の近くの四ツ橋筋の大きな通りに面したところにある8階建ての雑居ビル。周辺は飲食店やビルなどが並ぶ繁華街の一角だ。

 目撃者した別の会社員もこう話す。

「午前中、会社で仕事していたら停電した。どうしたのかと思ったら、火事だった。外に出たら、『助けて』、『熱い』と悲鳴が聞こえた。爆発したような音が聞こえた後、すごい勢いで火の手が上がったとビルから逃げてきた人が語っていた。ビルに入居しているのはクリニック、洋品店などで火を使うところはないと思う。『放火じゃないか』という声が相次いで聞こえた。4階のフロアから、火があがり、横に広がるようにオレンジ色の炎が出ていた。真っ黒な顔で逃げ出してきた人もいた。煙がすごく、逃げて道路に倒れていた人もいました」

現場は報道陣らでごった返す(撮影・今西憲之)
現場は報道陣らでごった返す(撮影・今西憲之)

 消防によると、心肺停止者のほとんどは熱傷ではなく一酸化炭素中毒が要因とみられるという。

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