その報道一つみても、球団と選手の距離感も以前とは違ったものとなっているのだろう。互いに心地よい距離感をどう作り上げていくか。私は、互いに酒でも飲んで……とすぐ考えてしまうが、もうその考えは古いよな。
その意味で、新庄監督が選手とどう接していくのか来年は本当に注目したい。中日の立浪和義監督は厳しさを口にしているし、新監督が選手との距離感をどうとり、逆に縮めていくか。グラウンドで選手にしっかりとパフォーマンスを発揮してもらうために、2月のキャンプでは新監督の言動にも注目したいと思う。
来年こそ、キャンプ地に顔を出すことができるだろうか。キャンプも2、3年、目を離すと、取り組みも違う部分がある。ここ2年は、シーズン中もなかなかグラウンドで監督、コーチと話はできないし、選手の動きを近くで見られる機会は減った。選手の息吹を感じられる距離感で野球が見られるのがキャンプ。新型コロナウイルスの広がりが終息に向かうことを心から願っている。
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
※週刊朝日 2021年12月31日号