photo 写真映像部・松永卓也

 背景には、「日本の教育をよくしたい」という使命感にあふれた社員が醸す、教育業界独特の社内文化がある。一杉さんはそんなベネッセの社風が好きだった。だから、転職後に新たな経験やスキルを身に着けるたび、これをベネッセに導入すれば、と無意識のうちに思い浮かべていた。離れたからこそ、自分も会社も客観視でき、「会社の伸びしろ」がどこにあるのかにも気づいたという。

 一杉さんは再入社後、「DX人財開発部」でDX人材の採用や組織開発に携わっている。村山さんは言う。

「彼の成長にも事業にとってもよいポジションを一緒に議論して決めました。彼の強みを私たちがよく知っているのも元社員のメリットですね」

 ベネッセの出戻り社員は18~21年で計14人。今年は10人前後を見込む。(編集部・渡辺豪)

AERA 2022年10月31日号

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