ジャーナリスト・鈴木エイトさん/(すずき・えいと)滋賀県出身。2009年創刊のニュースサイト「やや日刊カルト新聞」主筆。旧統一教会を追うほか、2世問題や反ワクチン問題にも詳しい。共著に『徹底検証 日本の右傾化』(撮影/写真映像部・上田泰世)
ジャーナリスト・鈴木エイトさん/(すずき・えいと)滋賀県出身。2009年創刊のニュースサイト「やや日刊カルト新聞」主筆。旧統一教会を追うほか、2世問題や反ワクチン問題にも詳しい。共著に『徹底検証 日本の右傾化』(撮影/写真映像部・上田泰世)

 質問は8項目で、最後の質問は『選挙支援を受けたかどうか』です。『これ以上のことは書くなよ』という党本部の指示であると、僕は読みました。本来であれば、この次に教団から秘書を登用していたのかなどを聞かなければならないのに、その項目がありません。調査をしているというポーズにしか過ぎない。支持率の低下は解消されないでしょうね。

 安倍元首相の銃撃事件は、本来であれば解散命令を出してしかるべき教団を放置してきたツケです。霊感商法や宗教2世など、多くの被害者が見過ごされてきました」

──9月26日に出版される新著のタイトル『自民党の統一教会汚染 追跡3000日』(小学館)には「3000日」とあるが、鈴木さんが教団の動向を注視し始めたのは約20年前にさかのぼる。

「テレビの報道番組で、旧統一教会の正体を隠した勧誘手口を見たのがきっかけです。『意識調査』『手相の勉強会』などと言って声をかけ、教団のビデオセンターに連れていく。翌日、実際に渋谷駅前で出くわして、割って入ったんです。信者を論破していくのが面白くて、時間を見つけては勧誘阻止の活動をするようになりました。

 信者の人たちと話す機会が増える中で気づいたのは『この人たちはだまそうとしていない』ということ。マインドコントロールの仕組みに気づき、教団を追いかけるようになりました。

 ただ、僕個人の力には限界があって、なかなか顕在化させることができませんでした。銃撃事件は起きてしまいましたが、今こそ多くのメディアがチームジャパン的に追及していくときだと思います」

(構成/編集部・古田真梨子)

AERA 2022年9月12日号より抜粋

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