竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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「コンビニ百里の道をゆく」は、52歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

【写真】「新しい便利」のご提供を目指して店舗の改装を進めています

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 今回は私たちがいま進めている変革についてお話しします。コロナ禍は大きなピンチですが、考えようによっては、大チャンスなのかもしれません。もともと私たちの仕事は「変化対応業」。ローソンも1975年に1号店をオープン以来、その都度、社会の要請に対応しながら変化を積み上げ、成長してきました。

 コロナ禍でお客様の生活様式や価値観がガラリと変わりました。コンビニという一番近くのお店に求められていることも変化しています。じゃあ、私たちがその期待に応え、お店や商品、サービスを大きく変えて、お客様にこれからの「新しい便利」を提供していきたい。そんな思いで一昨年9月、「ローソングループ大変革実行委員会」を立ち上げました。

 その中の「店舗理想型追求プロジェクト」では、今の時代に合った形に店舗を改装する取り組みを行っており、今年度中には5千店規模のお店を変更予定です。

 改装では、近くのローソンで炊きたてのご飯やおかずが買えたら、という要望に応えて店内厨房の「まちかど厨房」を増やし、現在は約8千店舗に拡大。また、自宅で過ごす時間が増えたけど毎日ご飯を作るのは大変。そんな方のために「マチのデリ」という小さなお総菜のブランドを立ち上げました。また冷凍食品の品数を増やし、店舗に設置する冷凍ケースも充実させていく。

「新しい便利」のご提供を目指して店舗の改装を進めています
「新しい便利」のご提供を目指して店舗の改装を進めています

 感染面から「人と接触したくない」という要望が多いことから、からあげクンなどカウンター商材はお好きな商品をセルフでお取りいただき、速やかに会計ができる形に。セルフレジの利用なども増えています。

 店舗改装は非常に良い評価をいただき、手ごたえを感じています。来年度中をめどにすべての店舗で何らかの改装を行い、「理想形」をさらに追求していく予定です。

竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

AERA 2022年1月31日号