作品ごとにイメージを変幻自在に操り、まるで役が乗り移ったかのような演技で「憑依型」とも称される俳優・松山ケンイチ(36)。昨年10月期のドラマ「日本沈没」(TBS系)では、主演の小栗旬扮する環境省の官僚の盟友として、スマートな経産官僚を好演。劇中で松山がアドリブで発した「激おこぷんぷん丸」というセリフがSNSのトレンドワード入りするなど話題を集めた。
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1月末から公開されている映画「ノイズ」では、15年ぶりに藤原竜也との共演が実現。番宣で松山が出演した「あさイチ」(NHK)でVTRメッセージを送った藤原は、「誰も代わることのできない松ケンらしい存在感、成り切る力、溶け込む力が素晴らしい」「勉強熱心で、舞台や映画、漫画など、いろんなものを見て吸収している人」など、松山のことを絶賛していた。
藤原も話しているように、常に演技のブラッシュアップを図っている松山。3年ほど前から始めたという東京と地方との2拠点生活も演技に好影響を与えているようだ。
「日曜日の初耳学」(TBS系・2021年12月5日放送)で予備校講師の林修と対談した際、「このまま演技をしていても、僕はもう出せるものがない」との思いから、今の生活に至ったことを告白。2012年に主演した大河ドラマ「平清盛」(NHK)で、自分より年上の清盛を演じるうえで、今まで自分が培ってきた「豊かさ」が圧倒的に足りないと痛感したと述べている。くしくも作品の中に、ドラマのテーマでもある「遊びをせんとや生まれけむ」というセリフがあり、「生きることを遊ぶ」ことを大切に、今では力むことをやめ、経験を通して得たものを、役を通して表現したいと話していた。
「まさにその『経験を通して得たもの』が彼の演技に厚みと説得力を与えていると思います。松山さんが地方で過ごすときは、畑で野菜を育てたり、狩猟に同行するなどスローライフを送っているそうです。社会問題への意識も高く、猟師が捕った獣の皮の活用が進んでいないことに着目し、それを革ジャンやバッグに利活用するという新たな仕事にも取り組んでいるそうです。妻である小雪さんの存在も大きい。先日出演したバラエティー番組では、小雪さんが麹やハーブを入れて漬けたという『鹿カツ』を共演者にふるまっていました。小雪さんは、自身が玄米食で育ってきたこともあり、無農薬野菜を取り寄せて料理をしたり、健康食への意識が非常に高く、田舎暮らしは子どもたちのためとも考えているようです」(テレビ情報誌の編集者)