――生放送だから絶えず緊張を強いられますね
石井:わからんことはええ格好せんと、僕、よくわからないのでもう一回、言って下さい、もう少しわかりやすく教えて下さいと言うようにしています。でも、なかなか勇気がいりますよね。例えば会議で、正直に『わからんので教えてください』って上司に言ったら『あいつそんなことも知らんのや』と思う人もいるかもしれないですけど、ちゃんと正直に聞けるやつなんだなと思う人もいます。僕も取材現場へ行くと、他局の人がいたりすると、ちょっと角度をつけた質問してやろうみたいに思っちゃうんですけど、そんな気持ちを一回、押し殺してわからんことを素直に聞いていこうと自分に言い聞かせています。
――近著『ゴゴスマ石井のなぜか得する話し方』にはインパクトを狙った自己紹介のやり方が書いてありますけど、普通の人はスベることが怖いと思います
石井:もうスベることは怖くないですよ。お笑い芸人じゃないんだからスベってナンボ、スベったらスベった分だけいいと思います。スベるということは、つまりは失敗じゃないです。こいつはこんな隙があるんやと相手に思ってもらった方が、好意を持たれる、という名言もあります。だから大いにスベっていただきたい。スベりからどんどんチャンスは広がっていくと思います。でも、工夫した上でスベって欲しいですね。ただ漫然とスベるより、工夫したのにスベった人の方がかわいいじゃないですか。ただただスベってる人より。工夫したのにスベっちゃったねって言われるぐらいが一番、塩梅としていいのかなとか。
――いろんな大物のインタビューをされていると思うんですけど、一番サシでインタビューされてすごく緊張したご体験ありますか。
石井:正直言うと、いつも緊張しているんですよね。街角の皆さんにインタビューする時も、めちゃくちゃ大物にインタビューする時も。常に緊張はしています。インタビューは一番難しい仕事やと実は思っています。映画のPR に来た大物俳優さんに20分間の時間をいただいてインタビューをするとします。20分間でいい言葉を引き出せなければ、どうしようと不安になるし、インタビューは一番、技術的に難しい。相手にいかに喋っていただくかなので、毎回緊張しています。相手が今、何を聞いて欲しいのかとか、想像を巡らせながらやっていくので神経を使いますね。