男子ノーマルヒル2回目を終え、小林陵侑(右)は兄潤志郎と抱き合う
男子ノーマルヒル2回目を終え、小林陵侑(右)は兄潤志郎と抱き合う

 うちに限らず、下の子のほうが相対的に早く始めることが多いです。そして、上達スピードも早い傾向があります。親がコーチ役をしている家庭が多いので、一番上の子にはああでもないこうでもないと言いながら指導しますが、下の子には良かったことだけ取り入れて練習させ、教え方も洗練されていく。

 成田家でも、弟の緑夢が一番才能があると言われていました。下の子は上の子の背中を見て育つので、(例え早く始めなかったとしても)どんどん上手くなっていくことがあるんですよ。平野海祝くんは、たしかソチの大会で歩夢選手の姿を見て、自分も同じ場所に立ちたいと思って始めたそうですが、その後、驚異的なスピードで成長し、わずか8年で代表になっています。

――妹の今井メロさんとは年も近いですが、一緒に練習していたのでしょうか。

 競技者になってからも、基本的には一緒に練習していました。コーチ役の父がハーフパイプの下を陣取って、父が見ている中を滑ります。お互いの滑りを見て、「ここを直したほうがいいんじゃないの」といったことを言い合いますね。ただ、年も近かったので、当時は普通にケンカしますし、お前に言われたくないよとなる(笑)。

 それでも、まだ男女だったからよかったというのはあったのかなと思いますね。同じカテゴリの中で戦っていたら、もっとバチバチしていたんじゃないかなと思います。

――兄弟で競技に打ち込んできたことによって、プラスになったと感じることはありますか。

 お互いに切磋琢磨できる。私は妹の成績に追いつこうとしていましたし、逆に妹は技術面で追いつこうとするといったバランスで、お互いの向上につながっていたのだと思います。

――妹の成績は、常に意識していましたか。

 正直、常に意識していましたね……。練習量もほぼ一緒でしたし、男女でくくりが違ったとはいえ、出る大会は一緒なので。自分がスランプ気味の時に向こうが調子良ければ、やっぱり悔しい。当時は10代なので露骨でしたね(笑)。

――2005年のバルドネッキア(イタリア)大会では、妹のメロさんと、兄妹で表彰台に立っています。

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「兄妹じゃなかったら、五輪に行けていなかった」