フジテレビの番組・テラスハウスに出演した女子プロレスラー木村花さん(享年22)が2020年5月に東京都内の自宅マンションで亡くなった際、問題視されたのがネット上での誹謗中傷だった。木村さんを中傷した男性2人が侮辱罪で科料9千円の略式命令を受けたことに「罪が軽すぎる」と批判の声が挙がった。インターネット上の誹謗中傷対策を強化するため、法務省は昨年9月に刑法の「侮辱罪」を厳罰化し、懲役刑を導入する方針を固めた。

「言論の自由で批判するのと誹謗中傷は明らかに違う。どんな理由であれ、『死ね』、『消えろ』など心を傷つける書き込みが許される理由はない。現状だとゆたぼんが主張する通り、誹謗中傷の書き込みを行った人間を特定するための情報開示請求などに費用がかかり、裁判に勝訴しても赤字になってしまうケースが多い。誹謗中傷の書き込みに傷ついても、金銭面の問題で泣き寝入りする被害者がいる。この現実は直視しなければいけない」(スポーツ紙記者)

 批判できることは健全な社会と言える。だが、人格否定や脅迫めいた誹謗中傷は決して許されない。ネット上に書き込む際は感情的にならず、想像力を張り巡らす冷静な心が必要だ。(西川秀之)

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