【※ネタバレ注意】以下の内容には、今後放映予定のアニメ、既刊のコミックスのネタバレが含まれます。
『鬼滅の刃』アニメ3期・刀鍛冶の里編の放送が決定した。刀鍛冶の里編では、新たに“2人の柱”が登場し、彼らのすさまじい剣技が披露される。そのひとり、甘露寺蜜璃は「恋の呼吸」と呼ばれる技を使い、他の登場人物に“胸キュン”するシーンが度々出てくるなど、これまでの“柱”とは違う描かれ方をしている。外見や服装、また入浴シーンなどから、一部では「お色気」キャラのような捉え方をされたこともある。だが、甘露寺蜜璃が鬼殺隊で果たす役割や、キャラクターの本質は深く、その魅力は多層的である。蜜璃にまつわるエピソードが、アニメ3期の見どころのひとつであることは間違いない。蜜璃のキャラクター特性について考察する。
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■鬼殺隊の柱たちと甘露寺蜜璃
日々、激化する鬼との戦闘の中、炎柱・煉獄杏寿郎の死、音柱・宇髄天元の引退によって、鬼殺隊は2人の「柱」を欠いた。実力ある鬼と互角に渡り合えるのは、ごく限られた隊士だけだ。
そんな中、刀鍛冶の里編では、新たに2人の柱が登場する。霞柱・時透無一郎(ときとう・むいちろう)と、恋柱・甘露寺蜜璃(かんろじ・みつり)だ。刀を持って、たった2カ月で柱にまでのぼりつめた無一郎は、まちがいなく鬼殺隊史上でも名を残すほどの天才だ。一方、蜜璃も2人しかいない「女性の柱」の1人で、その戦闘力は他の柱にも引けを取らない。
しかし、柱たちの使う9種類の呼吸のうち、蜜璃の「恋の呼吸」は極めて異色であった。
■蜜璃は「鬼狩り」らしくない?
甘露寺蜜璃はよく笑う。5人姉弟の長女である蜜璃は面倒見がよく、鬼狩りの剣士とは思えないほど、明るく、温和な性格をしている。
コミックス6巻の初登場時、蜜璃は緊迫する「柱合会議」(※炭治郎と禰豆子の処罰を決めるために行われた柱の会議)でも、他の人たちを眺めながら「キュン」と胸を高鳴らせており、ひとり緊張感が感じられなかった。