コロナに感染しても無症状・軽症で隔離期間を終える人もいるが、かなりつらいというケースも。症状格差はなぜ生まれるのか。AERA2022年3月7日号の記事を紹介する。
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「子どもが陽性でほかの家族が陰性だと隔離生活がなかなか難しい」と電話口で話すのは、取材時、自宅隔離まっ最中だった男性(42)。5歳の次女が2月半ばに発熱。咳があり、コロナを疑ってかかりつけ医を受診すると抗原検査で陽性となった。一時、熱は37度台後半まで上がったが、翌日には36度台に。咳もほぼ消えた。同居家族が濃厚接触者になり、のちに近所のクリニックでPCR検査を受けると、長女(10)の陽性もわかった。だが、無症状だ。
「最初に陽性となった次女は5歳だから隔離もできず、リビングに娘専用スペースを作り、ここから出ないでね、と言い聞かせました。症状はなくても保育園でクラス閉鎖があったので、コロナのことは理解していて、家の中でもマスクをつけて生活しています」
長女の陽性が判明してからは姉妹を別々に隔離する必要がなくなった。お風呂も長女が一緒に入れてくれるので助かっている。5歳の次女だけが陽性なら、お風呂は無理だったかもしれない。
「長い隔離期間、子どもたちにとって、元気なのに外に出られないのが最もつらいようです」
コロナ感染を巡っては、子どもをはじめ、ほとんど症状が出ないか、かなり軽症で終わるというケースもある。一方で、オミクロン株はデルタ株と比べ、「重症化しづらい」「軽症」と言われてきたのに、かなりつらいというケースもある。このような「症状格差」とも言える状況が広がっている。
「ガラスを飲み込むような喉の痛みが続いた」と言うのは、千葉県在住の40代女性。
もともと喘息持ち。咳が出始めたので喘息だと思い近所のクリニックを受診したのが1月28日。そのときは異常が見当たらず、31日に「コロナ陰性を確認し、喘息の薬を処方してもらおう」と県の無料PCR検査を受けた。その夜から高熱が出て、2月1日夜、陽性の通知が届いた。翌2日に発熱外来を受診し、コロナ確定となった。
「咳が激しく、頭がくらくらするくらい。喉の痛みは半端ないレベル。ところが発熱外来で喉を診てもらっても、検査上は喉が腫れておらず、『炎症もなく大したことがない』と……」