夏樹さんは今年10月に70歳の古希を迎えるが、女優としてのオファーは絶えない。最近でも、通称キントリとして親しまれた「緊急取調室」(テレビ朝日系)、山ガールを描いた「山女日記」など話題のドラマに出演している。
「キントリの台本に『初老の女性が倒れている』と書いてあったんです。『これ誰?』って思って読んだら、私だったんですよ(笑)」
「山女日記」でも、初老らしき女性が座っているという役柄だったという。
「最初、実はすごいショックを受けたんです。でもよく考えたら、私はテレビのニュースで報じられるところの『高齢者』に入っているんだなって。70歳になるのは怖くないですよ。70代をどう過ごすかで、80歳からの人生が変わってくるから。その10年をどう生きようかと考えた時、70歳の誕生日はお友達とささやかなパーティーを開くのではなく、ホテルで華やかに、こんなの見たことないというくらいのディナーショーをやるって決めたの。見ている人に『陽子さんは70歳になるけど、全然怖くないんだ、私もがんばろう』って思ってもらえるようにしたいんです」
最近では白髪染めをやめて、あえて「グレイヘア」にする女性も増えている。だが夏樹さんの髪はきれいな栗毛色のままだ。その理由をこう話す。
「他の同年代の女優さん、みんな、髪を真っ白にし、おばあちゃん役にまわっているんですよね。それはそれでいいんだけれども、私はまだ当分、髪を染め続けると思う。私は女優の仕事ではどんな役でもやりこなしていきたいし、そのためには髪も白だろうが、金髪だろうが、何色でも平気。でも歌をうたう時は年齢不詳の自分を表現できるでしょう。女優も歌手も、両方の仕事をずっと続けていきたいですね」
(AERAdot.編集部・上田耕司)