自転車の販売台数、金額の推移(経済産業省のウェブサイトから)
自転車の販売台数、金額の推移(経済産業省のウェブサイトから)

 一方、「電動自転車」はペダルを踏み込む必要がなく、バイクと同じ操作方法で走行可能だ。時速24kmを超えても、モーターの力で走行してくれる。そのため、公道を走行する際には、原付免許(原動機付自転車免許)が必要でナンバープレートやウインカーを取り付け、乗車にはヘルメット着用となる。有名自転車販売店には「電動自転車」と表記されているものがあるが、日本には「電動自転車」というカテゴリーはない。

 アシスト車が普及した背景には、2008(平成20)年の法改正で、1:1までだった踏む力とアシスト力の比率が、前出のとおり1:2に拡大したことが背景にある。アシスト力が2倍になったことで、こぎ始めと坂道を上る際には、その威力が発揮されるようになった。

 だがこれは日本基準であり世界標準ではない。海外では、どちらかというと「電動自転車」タイプが主流のようだ。

 自転車大国・中国ではアシスト車の概念はなく、免許なしで電動自転車の運転が可能だ。ペダルはあるが、こぐ必要はなく、実質は電動バイクとなっている。16歳以上なら誰でも乗れてヘルメットの着用義務はない。2019年からは最高時速25km、定格出力400Wとなった。中国語の新聞「東方新報」は、時速70kmの走行も可能なように不正改造された電動自転車が町中を走っていると伝えている(東方新報/AFPBB News)。

 一方欧州では、E-Bike(スポーツ・バイク)が全盛であるものの、日本のアシスト車は売れていない。欧州のアシスト車の最高速度は時速25km、モーターの最高出力は250Wと定められている。速度は日本の24kmとたった1kmしか時速が違わないのだが、実は数字以上にその差がある。

 日本のアシスト車は、時速10kmまでは最大限で踏む力1に対し2のアシスト力となるが、時速10kmから24kmに上がるにつれ、徐々にその比率は下がっていく。そして時速24kmを超えると、アシストはゼロになるしくみだ。

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