実際に、アメリカではマインドフルネスをベースにした教育サポートプログラムが導入されて、期待通りの良い結果を残してきています。
その一例が「マインドフル・スクールズ」(Mindful Schools)で行っている教育です。
「マインドフル・スクールズ」は、アメリカのカリフォルニア州で活動している非営利団体で、学校教育へのマインドフルネスの普及をミッションに掲げています。
これまでに6万人以上の教育者をトレーニング、子どもの健康をサポートしてきました。
ここで、「マインドフル・スクールズ」が行っている、非常にシンプルなプログラムをご紹介します。家庭でもできるものなので、親子でやってみてはいかがでしょうか。
「チーン」などと長めに音がなるベルか音叉などを用意しましょう。
以下の要領でマインドフル・リスニングと深呼吸を行います。毎日1、2分を続けていきましょう。
(1)まずは初めの儀式です。以下のセリフで始めてください。「はい、マインドフルネスな体の準備をしましょう。静かに、座って、目を閉じましょう」
(2)次のセリフを続ける。「今から聞く音に意識を集中しましょう。音が完全になくなるまで、集中して聞きましょう。音が完全に消えたら手をあげましょう」
(3)ベルなどの道具で、音を鳴らします。
(4)子どもの手が上がったら、深呼吸にうつります。「それでは、マインドフルネスに意識してゆっくりと手をお腹か胸に当てましょう。自分の呼吸を感じてください」
(5)子どもが呼吸に集中できるように声をかけましょう。ゆっくりと、「吸って、吐いて」と数回繰り返しましょう。
(6)終わりにもう一度ベルを鳴らして終了です。
前述した「マインドフルネス」の効果や目的を子どもにも共有して行い、終わったら子どもがどう感じたか感想を聞いたり、自分がやったときはどう感じたか、シェアし合うとより効果的です。
時間を決めて生活の中に組み込んでいくこと、周囲を片付けてマインドフルネスをするときだけのスペシャルな空間づくりも大切です。
星友啓(ほし・ともひろ)
1977年生まれ。スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長。哲学博士。東京大学文学部思想文化学科哲学専修課程卒業。その後渡米し、スタンフォード大学で哲学博士を取得。オンライン教育の世界的リーダーとして活躍。