まさに「転換期」かもしれない。男性演歌界の話である。“大御所”北島三郎さんは紅白を引退し、第一線から退いた。五木ひろしさんも一昨年を最後に紅白卒業、そして“プリンス”氷川きよしさんの休養。大物たちが次々と表舞台を去り、「次」を担うのは誰なのか。業界の事情通たちに大胆予測してもらった。
【写真】ネクスト「演歌キング」は誰だ!次代を担う第6世代がこちら
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「氷川きよしの休養宣言は驚きでした。長年、“演歌界のプリンス”として人気も実力も文句なしなのに。これからっていう大事な時に活動休止を発表したのですから」
こう話すのは、演歌畑を長年取材し続けた芸能記者。「大事な時」というのは、演歌界が「次のリーダー」を最も必要としている時という意味だ。
「紅白のほか各地の劇場で続けていた座長公演からも次々と身を引いて、今はほぼ“引退状態”の北島三郎。次なる大物と誰もが認める五木ひろしも一昨年を最後に紅白を卒業してしまった。演歌界ではNHKの紅白歌合戦に出場することが一流の条件みたいなものですから、2人の大物が第一線を退いてしまったことになる。ならば、紅白にも連続出場を続ける“プリンス”氷川きよしが、いよいよ“キング”を継承するだろうと思っていたら……」
レコード会社で演歌を担当した後、独立して演歌歌手のプロモーションをしている事情通も「男性演歌界はリーダー不在の時代になった」と肩を落とす。
「あえてリーダーの条件を挙げれば、その人のファンでない人でも口ずさめるくらいのヒット曲があり、紅白に出場を続けていて、レコード大賞などの受賞経験があること。加えて親分肌な面があれば言うことなし、という感じでしょう」
では、その条件にかなうのは誰か? プロモーター氏は「氷川君が活動再開するまでは、リーダー不在の時代が続くのではないか」と予測する。
「北島さん、五木さんに次ぐ実力者として、すぐ頭に浮かぶのは細川たかしさん、吉幾三さんですが、細川さんには『北酒場』や『矢切の渡し』という大ヒットがあるけど、2015年を最後に紅白卒業を発表している。吉さんも『雪國』『酒よ』があるが、01年を最後に紅白から遠ざかっている。その点、氷川君には“♪やだねったら、やだね”の『箱根八里の半次郎』があり『一剣』でレコード大賞も取っているし、人気も申し分ない。活動休止は実に残念です」