イラスト/小田原ドラゴン
イラスト/小田原ドラゴン

 デモに出る。政治家や政府への批判を口にする。そのことを誰かが通報したとする。そして、1年以下の懲役かどうか裁判となる。その間、不当に拘束されやすくならないか。

 デモとは、市民が集まり、政府や大きな力に要求や苦情を伝える行為。民主主義で、あたしたちの大切な権利だ。

 政府の侮辱罪改正法案が通れば、デモなどをしづらい空気が巷(ちまた)に作られるに違いない。

 というようなことを考えれば、わざと細かなルールも決めない、やたらとざっくりしたこの改正法案だったりしてね。こんなものでも数の力で押し通し、それが許されてしまうんでしょうか?

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

週刊朝日  2022年5月27日号

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