週刊朝日2022年5月20号
週刊朝日2022年5月20号

──ライバル役は感情の起伏が激しい役です。どう演じたいですか?

 ライバル役との向き合い方としては、的の真ん中を射ぬこうとは思っていなくて。この役で、基準点や平均点を取りにいこうとは思っていません。失敗はマイナス点かもしれないけど、そうだとしても、そのほうが面白くて、真ん中っていうのが一番つまんないのかなと思います。自分としてもそう思うし、光一くんと話して、求められているものもそういうことなのかな、と思いました。

 僕は、その役が言いたいことだったり、心が動いたからこの行動に出た、という流れだったりをすごく大事にしたい。もちろんセリフで説明はできるけど、セリフ、言葉っていうのは形だから。その役がどういう気持ちでそのセリフを言うのかとか、心がまずスタートにないと、っていう思いはありますね。

 ライバルは激しい役だけど、ただ暴れればいいってもんじゃないかな、とは思っています。でも、考えすぎたら考えすぎたで、小さくまとまってる、って言われそうな気もするし……。とはいえ、わざとふざけるとか、変わったことをやってみるとか、そういうのは苦手なので。

──勝利さんも感情のアップダウンは激しい?

 基本的には、そんなことないと思うんですけど。ただ、感情が動いたときの振れ幅はすごく大きいですね。すっごい落ちるときは落ちるし、すっごい上がるときは上がる。でも、それが普段からずっとあるってわけじゃなくて、ずっと振れているような感じはないですね。何かがあって落ち込んだときは、あんまり人に話さないタイプです。いろんな経験してきたから、耐性は強いと思っているんです。

──ところで、料理が得意だとか。いつから始めたんですか?

 タイミング的にはコロナがはやるちょっと前くらいに。食べること自体すごく好きだし、それでふと、米炊けるようになりたいな、と思ったんです。最初のうちはカレーとか作ったと思うんですけど。始めたころは炊飯器で炊いてたんですが、そのうちなんか違うな、と思って、土鍋で炊き始めたんです。ボタン一つで炊けちゃうと、なんでできたかわからない。アナログで、一からやるようになったのは、なぜそうやって米が炊けるのかがわかるから。そのほうが楽しめるんですよね。

 最近は、パスタを作ることが多いかな。もちろん買ってきたソースもおいしいけど、やっぱり自分で作りたい。トマトベースのものとかが多いかな。リゾットなんかも、プロのシェフが作っている動画を見て、見よう見まねで作ってみたこともあります。レストランで出すような料理を家で再現してみたいな。

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