大型連休が3年ぶりに「行動制限なし」となるなど日常が再開される中、各職場でもフル出社再開などコロナ前の勤務形態に戻り始めている。心身の健康を崩さないためにはどうしたらいいのか。AERA 2022年5月23日号より紹介する。
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「超健康的な生活が一変した」
こう嘆くのは、東京都内のPR会社に勤務する20代の女性だ。
2020年4月7日の最初の緊急事態宣言直後、仕事は月曜日と木曜日だけが出社、それ以外は在宅勤務となった。
はじめは戸惑ったが、在宅の方が仕事に集中できる。食生活も豊かになった。通勤時はお弁当持参で持っていける料理が限られたが、在宅ならランチに大好物のパスタを熱々のうちに食べられ、野菜もたくさんとれる。21年2月には、以前から住んでみたかった田園都市線エリアへ引っ越した。勤務後は品数の多いバランスの取れた夕食を堪能。早朝ジョギングも始めた。体重は落ち、体調が良くなった。
通勤ラッシュにも苦悩
在宅勤務が解除され、フル出社となったのは昨年11月。「以前から住みたかったエリア」は通勤が大変で会社まで片道1時間かかる。朝の通勤ラッシュはすさまじく、毎朝車両の人混みの中に体を押し込む感じだ。久しぶりのヒールで足も痛い。
帰宅はだいたい午後10時。そんな時間から夕食を作る気力はなく、食事を楽しむという気持ちはなくなった。
土日は部屋の掃除、洗濯、宅配便の受け取りがあり、在宅勤務時と比べて自由度ははるかに減った。なんとか月に1度、野菜づくりのために千葉に借りている畑に行けるよう日程調整をしている。女性はこう嘆く。
「在宅勤務の快適さを知ってしまったから、フル出社がよりこたえます」
ゴールデンウィークも明けるといよいよ出社再開が本格化した企業もあり、“フル出社圧”に悩む人も少なくない。長期間に及んだ在宅勤務中心の生活から、出社中心の生活に戻す際に、心身の調子を崩してしまう人もいる。
関東に住む50歳の女性も、出社再開で不健康な生活に戻ってしまった一人だ。
女性は2年前、通っていたスポーツジムをコロナで休会。代わりに自宅で腕立て伏せやスクワット、腹筋などの「宅トレ」を始めたら、ハマった。