在宅勤務の前後に各40分宅トレ。昼食はささっと食べ、30分間ジョギング。汗をかいて気分がスッキリし、夜は熟睡できる。開始3カ月目にはおなかの縦、横にラインが入り、人生初の「割れたおなか」を手に入れた。その体形を維持し1年半。「いつでもビキニ姿になれる体」になったと喜んでいたのだが……。
「昨年11月から元の勤務形態に戻り、しかも異動して、自分で予定を立てられなくなり、宅トレとジョグの時間が取れなくなってしまいました」(女性)
「筋肉は裏切らない」とよく言われるが、その逆も然り。おなかの「割れ」は消えていった。
心身の健康保つ生活を
眠りの質も低下した。寝つきが悪く、夜中に目が覚める。昼は眠く、ブラックコーヒーを何杯も飲むため、それがまた寝つきの悪さにつながっている。
公認心理師の潮英子さんのもとには、出社が再開されて「会社の人間関係が嫌、仕事が合わないと改めて痛感するようになった」といった相談が寄せられているという。潮さんは言う。
「そういう人に、特にお勧めしている三つの方法があります」
まず、体と心はつながっているので、心身の健康を保つ生活を送ること。夜更かしは避ける。睡眠を促すホルモン、メラトニンの原料で、幸せホルモンの別名を持つ神経伝達物質セロトニンの分泌が抑制され、睡眠の質が悪くなり、疲労感が蓄積し、体と心の不調を招きかねない。
“在宅時差ボケ”状態に
次に「リフレーミング」。物事を見る枠組みを変えて違う視点で捉え、前向きに解釈するコミュニケーション心理学の概念だ。
「人間関係が嫌、会社が合わないとマイナスに捉えるのではなく、それに気づけてよかった、新しい仕事に挑戦するチャンスだなどと捉えるのです」(潮さん)
そして「書き出し」。勤務形態が変わって何がプラスになり、何がマイナスになったかを紙に書き出す。例えば、「コロナで飲み会が減り、実は飲み会が好きじゃない、アルコールがそもそも好きじゃないと気づいた」のであれば、今後飲み会に極力参加しない。プラスを増やし、マイナスを減らしていくのだ。