村元選手が現役続行を意識したのは、実は世界選手権の後だった。終えて感じたことは、「自分たちの世界での位置が見えてきた」「ようやく世界の舞台に立てた」。アイスダンスを始めて2年間走ってきて、やり切った感もあったが、「まだまだ、いけるんじゃないかな」と感じていたという。
■答えは自分の中に
一方、その思いを受けて考えたという高橋選手は、世界選手権が終わった時の心境の変化、アイスダンスを始めてからの2年間の思いに触れ、やはり、答えについては「自分の中にはすでにあった」と語った。
高橋選手はシーズンをこう振り返った。
「(自身を)アイスダンサーと表立って言っていいかな、と思ったのが、(アイスダンスを)1年やって次のシーズンの、NHK杯やワルシャワ杯が終わったあたり。そうなってから、世界選手権までは本当に一瞬だった」
もちろん、精いっぱいやった。だが、「一瞬だった感」が強かったからこそ、「もうちょいできるというか、やっと自分の中でわかりだしたところだった」。だから、「続けるんだろうな、という感じが漠然とあった」という。
■気持ちに正直になりたい
それでも、一度周囲やスケートから離れたオフの期間に、「自分の素直な気持ちに正直になりたい」と考えてみた。その間、「やらない」という選択肢は、「出てこなかった」。
現役続行を決断した背景やこれまでの歩みについて語る村元・高橋両選手のロングインタビューは、オンラインで配信されている。また、5月30日発売のAERA6月6日号の表紙にも登場、インタビューに応じている。
二人が明言したのは「まずは1年」。アイスダンス選手として、来シーズンの1年、競技生活を続行する。さらなる進化を遂げるだろうアイスダンスに注目したい。
(編集部・熊澤志保)
※AERAオンライン限定記事