配当利回り、優待利回りは高ければいいというものではない。業績が悪く、株価が下がっているため相対的に利回りが高くなっている場合もあるからだ。特に業績が赤字なのに配当や優待を出し続けている企業は要注意。長期保有のつもりで買うのはいいが、その企業が倒産してしまったら、投資したお金はほぼゼロになり、戻ってこない。

■赤字、無配企業に注意

 下記の10銘柄は、経営面にも不安がなく、安心して長期保有できそうなもの。優待利回りで見るとフジオフードグループ本社の4.46%、すかいらーくホールディングスの2.58%が目立つ。実はもっと高いものも存在しているが、欲張ってはいけない。こうした銘柄を持っていれば、今日はCoCo壱番屋で優待ランチ、明日は串カツ田中で優待飲み、日曜日はくら寿司で家族そろって優待ディナー……など素敵な優待ライフを満喫できる。キリンホールディングスを持っていれば定期的にビールがもらえるし、伊藤園なら緑茶や青汁など健康的なドリンクのセットが。あらゆるものの値上げが進む今、こっそりインフレ対策……のつもりで優待株を買っておけば家計が助かる。食事券や食べ物・飲み物だけでなく、家電量販店の買い物券がもらえるビックカメラ(優待利回り2.72%)や日用品が通販ですぐ届くアスクル(同2.75%)の割引券など、買い物系優待にも注目したい。

 初心者が業績の良しあしをしっかり判断するのは難しいが、最低限チェックすべき点は?

「銘柄名をクリックすれば、当社に限らずどこのネット証券でも業績に関する情報が見られます。『経常利益』『純利益』などの項目で赤字が続いていないか。無配(配当を出さない)になっていないか確認を」

 最近は「株を1年以上保有している人だけに株主優待をあげます」などの“継続保有”を条件とする企業も増えている。なぜか。極端な例になるが、権利付き最終日の1日だけ株を保有し、翌日に売却しても優待はもらえるからだ。1日保有のつもりで大量の銘柄を売買する猛者もいる。制度としては可能なので、こうした行為を非難はしないが、品のいい話ではない。企業側もたった1日の保有で優待を“タダ取り”されることを阻止すべく長期保有優遇制度を導入しているというわけだ。継続保有銘柄は今後も増えるだろう。(ジャーナリスト・向井翔太、編集部・中島晶子)

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