しかし最近、私にとってかなり画期的な「新要素」が加わりました。生まれてこの方47年、自分の暮らしにはまったくの無関係だった「ヤクルト」の定期購買を始めたのです。きっかけはマツコ・デラックスでした。マツコさんと言えば、現代版「みのもんた型トレンドセッター」の雄であり、彼女がテレビで食べたり褒めたりした商品が次々と売れるという話は、各方面から聞こえてきます。そんなマツコさんが、どうやら先日「ヤクルト1000」を番組で絶賛したことにより、ただでさえコンビニなどの店舗販売が少ない「ヤクルト1000」が一気に品薄になってしまったとか。すると、大阪のナジャ・グランディーバさんを始めとする「ヤクルト1000愛飲女装」たちから、「マツコがあんなん言うから、ヤクルト1000なくなってもうたやないの!」と、なぜか私のところに苦情が来たのです。「本当に影響力あるんだ」と感心しながらも、その旨をマツコさんに伝えたところ、「悪かったわよ。だけどテレビで言いたくなるぐらい素晴らしいのよ、ヤクルト1000は。アンタも寝付きが悪いんなら飲んだらいいわよ」と電話口で薦められるがままに、気が付けばヤクルトレディにネット申し込みをしていたというわけです。
定期購買開始から3週間。毎週水曜日の配達日には、先週分の冷蔵バッグを集荷場所に置くというのが新たな生活ルーティンになりました。若干その日は朝からソワソワしますが、なんとなく健やかです。
ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する
※週刊朝日 2022年6月17日号