個別の事情に応じて
柔軟な対応をしてもらえることも
一方で、三菱UFJ銀行が特定の明細のみ支払いを継続するケースを認めているように、個別の事情に応じて柔軟に対応している様子もうかがえる。
Bさんから聞いた事例は5行とも経験がないようだった。しかし、別の金融機関が何らかの事情から特殊な措置として、そうした措置を行っている可能性も否定できない。
ただ一般論としては、凍結中は原則として口座振替を継続しないのは確かなようだ。そして、銀行側から定額制サービスの運営元へ、契約者の生死に関わる情報が自動で伝わるような流れも確立されていない。
クレジットカードは
退会後も請求が継続しうる
クレジットカードも主要な8社にアプローチし、6社から回答を得た。
こちらも契約者の生死を知りようがないため、遺族等から連絡がない限りは自動引き落としの処理が継続することになる。死亡の連絡を受けたら退会の手続きを進めることは可能だが、預金口座の凍結のように直ちに処理するわけではない。あくまで遺族等の希望に基づいて処理を進めるというスタンスだ。
いずれもカードも定額制サービスとの契約は事前に解約した上での退会を促しているが、イオンカードが「支払い義務(債権)が残っている場合であっても退会は可能です」というように、回答を得た中では債権が残った状態でも退会手続きを止めるケースはなかった。
Aさんのケースは特殊事例なのかもしれない。ただし、あるカード会社は匿名で「支払い義務が残ったまま退会されると後々面倒なことになることも。それを防ぐための対応としてはあり得る措置といえます」と見解を教えてくれた。
