高速道路を安全に走行するには、どこに気をつければいいのか。モータージャーナリストの菰田潔さんは「日本では十分な車間距離を空けずに走っているクルマが多い。2秒間の車間距離をとることで事故を回避でき、渋滞対策にもなる」という――。
車間距離を測るときは「ゼロ、イチ、二」とカウント
みなさんにはぜひ、高速道路をより安全に走るためのポイントを押さえて「うまいドライバー」になってもらいたい。
まずは車間距離。いま欧米では2秒以上がスタンダードになっているが、日本の高速道路を走っているクルマを観察すると1秒程度で走っているドライバーが多い。
前のクルマが影や段差などを通過したときに、ゼロ、イチ、ニとゆっくりカウントする。そうすると大体2秒間になる。ニという前にその場所に到達してしまったら短いことになる。
時速100kmでは1秒間に約28メートル進むから2秒間だと約56メートルになる。日本式の時速100kmのときは100メートルより短いが、流れに乗って安全が保てる距離なのだ。
欧米では最初の1秒が反応するまでの時間、残りの1秒でブレーキを踏んだりハンドルを切ったりして事故を回避する時間と考えている。また2秒の車間距離で走っていると渋滞も起こりにくいと言われている。
先の見通しも2秒間の車間距離をとっていると見えるようになる。1秒間では近すぎて、前のクルマが邪魔でその前が見えなくなる。
雨の高速道路では暗くなくてもロービームを点灯
ヘッドライトはなるべく点けた方が安全だ。昭和の時代はバッテリーが弱く、発電機も性能が良くなかったため、ヘッドライトはこまめに消すのがベテランドライバーの運転術だった。しかし今はLED電球になり、電力消費も少なく発電機の性能も良くなったので、ヘッドライトを点けることによるトラブルは無くなった。
ヘッドライトを点けることで自車の存在を周りにアピールでき、安全性が高まる。このときにはヘッドライトのロービームが良い。雨の高速道路では暗くなくてもヘッドライトを点けることが安全面では非常に大事だ。スモールランプでも、フォグランプでもなく、もちろんハイビームでもない。
スモールランプが明るく光るDRL(デイタイム・ランニング・ライト)も安全性のために装備されたものだ。DRLがあればライトスイッチはオートにしておけばいい。雨が降っていても明るい天候だとライトが自動的にオンにならないケースもあるから、そのときは手動でオンにしてロービームを点ける。ワイパーが動くとクルマが雨だと判断して自動的にロービームを点けてくれるクルマも増えた。