「選ばれない人間」にこそ真の魅力があると、思いたい
ねえ、どう思いますか。
この現象、どう思いますか。
いや、華がある人間は羨ましいし、私はそうなりたいと、今でも思う。黙っていても目立って、何もしなくてもなぜか人がよってくるような、そういう人間に私はなりたい。
でもこうやって自分の立場をきちんとわきまえて、「私は大丈夫」と本当は目立ちたい気持ちをこらえつつ、それでも大人な対応をしている、おそらく弱冠十八歳程度の女の子のことを、とても愛おしいと思うんです。ねえ、そうは思いませんか。
どう見てもたったの十七とか、十八とかそこらだ。まだまだ目立ちたくて、何か素晴らしい存在になりたいとか思っている年齢だ。それなのに、自然と「自分は目立たない」と理解して、それで振る舞い方をきちんと考えている若い女の子。ああ、切ない。なんて切ないんだろう。私はその子のその表情にいたく共感してしまったのだ。
私は言いたい。街頭インタビューで声をかけられない女の子にこそ、真の魅力があるのだと。目立たず、立場をわきまえ、じっと息をひそめる賢さを持っているのだと。ぱっとしないどころか地味だし、一見普通の女の子にしか見えないけれど、そういう「選ばれないほうの人間」として苦労してきた人間だからこそ醸し出すことのできる、その人独特の魅力があるのだと、私は言いたい。
だから、声をかけてほしい。華がないほうの人間にこそ、声をかけてほしい。華があるほうの子は、何もしなくても声をかけられるのだから。陰でひっそりと咲く選ばれない女の存在を、知ってほしい。知ってほしい。
たのむ。どうか気がついてくれ。
じゃないとなんだか私が報われないんだと、よくわからない不特定多数の誰かに主張したくなった、夜だった。


